奉仕委員のおしごと
胃之上奇嘉郎、12年ぶりの新刊ということで12年間培われてきた作家の技量がたっぷりぶち込まれています。まさに至極の作品です。『奉仕委員のおしごと』はタイトルに関係する三本と、その他に短編が収録されています。『奉仕委員のおしごと』はワニマガジン社の月刊誌Xerosにて掲載されていました。その画力に当時購読していた私に衝撃を与えました。
エロ漫画家ってこんな上手い人がいるんだ…！
まあ作者は別名義で一般漫画も描いていましたし、エロ漫画家は一般向け漫画家より絵が下手というつもりもないのですが、それでも胃之上奇嘉郎の画力は他の漫画家、エロ漫画家とは一線を画したレベルだと思います。
実力に裏打ちされた画力で描かれるヒロインたちの痴態は紙面に生身の女の体を映すようです。奉仕委員シリーズ以外の短編は画面が若干淡白なきらいがありますが、汁描写なんかはどの作品もこってり濃厚です。そこがいい！
また胃之上先生は肉感や骨の角ばった感じを表現するのが大変上手いです。『奉仕委員のおしごと』には様々な体型、属性のヒロインが登場しますがどのヒロインも似通うことなく、一人一人ちゃんと体つきや肉つきが違います。特に奉仕委員シリーズは漫画でありがちな、違うのは性格や口調おっぱいのサイズだけ。という事がなく、まるで現実世界のように様々な肉体を持った女の子ばかりです。
さらに胃之上作品のいいところをあげるとしたら、擬音やセリフの書き方がとてもグッとくる点ですね！エロ漫画における擬音はエロ漫画の実用度を測る大切なものさしです。試しにお手元のエロ本の擬音を塗りつぶしてみてください。画面のなんと淡白なことか。エロ漫画において、擬音とアヘる時の手書きセリフは料理の仕上げみたいなものなのです。奉仕委員シリーズでの擬音の書き方は、ヒロインたちにまるで遠慮がありません。(そこがまたいい！)
この作品では日直や奉仕委員はムラムラっときた男子生徒、教員に時間を問わずに体を貸さなければいけません。故に割と雑に扱われるヒロインたちですが、それを「まあしかたないよねー」と当然のように認識しているのがなぜか余計にエロいです。奉仕委員シリーズは三作品から成り立っているわけですが、そのうち一作品名は眼鏡巨乳ちゃん。二作品はツンデレで少女体型ちゃんてす。そのうちツンデレの辻林ちゃんのイヤイヤながらも最終的にはアヘ顔を晒して失神しちゃうのはやりすぎ！と思いきや本人は幸せそうでした。
しかしながらなかなか新作が出ないのはファンとしてもどかしいところです。頑張れ、胃之上先生！
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